PKD腎臓内科クリニック

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院長ブログ

トルバプタンのはなし(2) ~くすりを飲み始めるまで~

2022/06/12

「飲まず嫌い」せずにトルバプタン(サムスカ®)を飲もうと思われた方へ、

これまでに経験したことのないたくさんの尿が出る、そんな薬を飲み始める患者さんが不安にならないわけがありません。

その不安を少しでも解消するための準備をしておきましょう。

 

まず「水分を摂る習慣」をつけてください。

すぐに飲める水分を身近に用意しておきましょう。
(水分の種類については、”水分のはなし” を参照ください)

机の上に、コーヒーではなく、水やお茶のペットボトルやカップを置いておく。
出歩くときにペットボトルを持ち歩く。

そして、喉の渇きを少しでも感じたら、躊躇せずに飲んでください。

おそらくトイレに行ったあとは少し喉が渇いているでしょう。そのタイミングで飲むという習慣をつけるというのもいいと思います。

 

人間は喉が渇いていても水分を摂らないで、無意識に我慢してしまうこともできます。

そのような習慣をなくしておくために「喉が渇いているかどうか」を意識してみてください。

 

慣れないことを新たにすることは大変です。すぐに始めろと言われても簡単に出来るものではありません。

ただ、この薬の場合、主治医の先生から「お薬を飲んでみませんか」と言われてから、実際に飲み始めるまで少し時間があります。
(難病申請*1 の手続きや入院*2 が必要なため)

焦らず、自分のペースで水分摂取量を増やしていってください。

最初は1リットルかもしれませんが、徐々に増やして2リットルまでくれば、それが新しい習慣になります。
だんだんと尿の色が薄くなっていくことに気付くはずです。

くすりを飲む前までに、3リットル飲めるようになっていれば、「水分を摂る習慣」は十分に身についています。

 

ただ、飲みすぎも良くない場合*3 もあります。

人間のからだは急な変化に対してついていけないものです。
決して無理をせず、ご自身の「喉が渇く」という感覚(からだの声)を頼りに、ゆっくりと「水分を摂る習慣」を身につけてください。

 

もう一つは「塩分を控える習慣」です。

トルバプタンは、塩分摂取量に関わらず、たくさんの尿を作ります。
水分が出ていくので、それだけの水分を摂る必要があります。

塩分のはなし” でも書きましたが、体の中に塩分が入ってくると喉が渇き、水分を摂ることになります。

ただ、その水分は「塩水」として尿から出ていってしまうので、トルバプタンによって出ていく「水分」の補充にはなりません。

具体的な例を挙げてみます。

「梅干し」を食べた時のことを想像してください。
1個だとコップ1杯の水で足りますが、2個食べるともう1杯飲みたくなりますよね。

 

 

このように、塩分を多く摂ると、それだけ水分を余計に摂らなければならないことになります。

 

トルバプタンを飲み始めた患者さんについていろいろ調べたところ、

入院時に塩分の摂取量が多いと考えられる患者さんの方が、

・くすりを飲み始めたときに脱水傾向になりやすい

・くすりに慣れる(十分に水分が摂れている)までの期間が長い傾向にある

ことがわかりました。

なので、こちらもゆっくりでいいので、薄味に慣れていってください。

 

「水分を摂る習慣」と「塩分を控える習慣」、どちらも意識しないとできるものではありません。

ただ、くすりを飲み始めるときに少なからず役にたつと思います。心がけてみてください。

 

 

*1 難病申請

多発性嚢胞腎(ADPKD)は、厚生労働省の定める「指定難病」の一つです。
くすりが高額であるため、その自己負担を軽減する公費助成を申請することになります。
主治医の先生からお話があると思います。

 

*2 入院

たくさんの尿が出て「脱水」になる危険性があることから、トルバプタンを飲み始めるときに入院が義務付けられています。
入院日数は決められていませんが、2泊3日で行う施設が多いと思います。

 

*3 飲みすぎも良くない場合

喉が渇いていないのに水分だけを大量に摂った場合に、血液の中の塩分濃度が下がりすぎて「低ナトリウム血症」になってしまうことがあります。
急になってしまうと、吐き気や倦怠感、ゆっくりしか動けない、意識がもうろうとしてしまうなどの症状が出ることがあります。

 

 

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