トルバプタンのはなし(5)~くすりを飲んではいけないとき~
2022/08/26
皆さん、暑い夏、どのようにお過ごしでしょうか。
今まで順調にお薬(トルバプタン、サムスカ®)を飲めていた方でも、少し “夏バテ” 気味という方もいらっしゃるのではないかと思います。
そんな時、「もしかしたら、水分が足りていないのかも」と考えてみてください。
喉がいつもより渇く、何となくだるい、などはその兆候かもしれません。
無理せずに薬の量を減らしたり、休薬しましょう。
薬はコンスタントに飲めた方が効果が期待できます。
ただ、この薬は利尿作用がとても強いので、飲まないほうがいいときがあります。
● 胃腸の調子が悪いとき
● 発熱しているとき
● 夏に暑くて調子が悪いとき
● 災害のとき
など、です。
胃腸炎などでお腹が痛くて、嘔気・嘔吐、下痢があるときは、十分に水分を摂るのはなかなかできません。
そんな時に、薬(トルバプタン、サムスカ®)を飲んでしまうのは危険です。
脱水状態になるからです。
急にやめると多少むくむことはあるかもしれませんが、数日で腎臓くんが補正してくれます。
なので、思い切って休薬しましょう。
次に、新型コロナなどで発熱したときです。
熱があると、身体から出ていく水分量(汗や蒸発する水分)が増えます。
このようなときも、お休みするか、少なくともお薬の量を減らしましょう。
先ほどお話しした、暑い夏などに何となく調子が悪い時も同じです。
水分が摂れているつもりでも、それが十分でないことがあります。
昼間眠い、いつもより血圧が低めなどが続く場合は、朝の分を減らしてもいいと思います。
寝汗が多い、夜中に足が攣るような場合は、夕分のお薬をお休みしてもいいと思います。
最後は、災害の時です。
地震や水害のために避難所に行かざるを得ないことがあるかもしれません。
そのような時、血圧の薬などはきちんと飲んだほうがいいですが、トルバプタン(サムスカ®)は決して飲まないでください。
頻繁にトイレに行くこともできない、水分も限られてしまう状況が想定されるからです。
いずれにしても、これからの長い人生と比較すれば、短期的な出来事です。
普通に喉が渇いたら水分を摂るようにしていれば、大丈夫です。
まだ残暑は続きますが、ご自身の体調に注意して、お薬を飲むようにしましょう。