eGFRのはなし(20)~健診で経過観察と言われたら?~
2026/05/18
前回は、医療機関への受診が勧められる基準についてお話ししました。
しかし、受診勧奨の対象とはならず、「C:経過観察」と判定されると、すぐに受診しなくてもよいのか、それとも一度確認した方がよいのか、迷う方もいると思います。
今回は、そのような場合に、どのように考えればよいのかを整理します。
■経過観察になる場合
一般に、次のような条件がそろっている場合には、経過観察と判断されることがあります。
▪ 40歳以上
▪ eGFR 45〜59
▪ 尿蛋白、尿潜血がない
▪ 高血圧や糖尿病など、腎臓病のリスクとなる病気がない
▪ 過去と比べて急激なeGFR低下がない
このような場合には、eGFR 60未満であっても、すぐに腎臓専門医を受診するのではなく、次回の健診や、かかりつけ医での再検査で経過をみることが勧められます。
■経過観察の場合に、次回の健診で気をつけたいこと
経過観察となった場合には、次回の健診でeGFRがどのように変化するかを確認することが大切です。
その際に、特に注意したいのが、健診時の「脱水」です。
これまでお話ししてきたように、
▪ 健診前の水分摂取が少ない
▪ 夏場の健診で汗をかいている
▪ 朝から水分を控えている
といった条件では、クレアチニンが上がり、eGFRが低めに出ることがあります。
したがって、次回の健診では、脱水にならないように注意することが大切です。
【次回の健診で心がけたいこと】
1.普段から、特に健診の数日前から、水分摂取を心がける。
2.尿の色が濃くなっていないかを目安にする。
3.前日夕食後の食事制限は必要ですが、水分まで過度に制限しない。
4.当日の朝に喉が渇いている場合は、喉を潤す程度の水分を摂る。
ただし、心臓病などで水分制限がある方は、主治医の指示に従ってください。
■不安な場合は確認してよい
健診で「C:経過観察」と判定されても、気になってしまう方は少なくないと思います。
その場合には、一度医療機関を受診し、必要に応じて次のような検査で確認することができます。
▪血清クレアチニンの再検査
▪シスタチンCによるeGFR
▪尿蛋白/クレアチニン比
▪尿潜血の確認
一度確認しておくことで、「本当に経過観察でよいのか」「脱水や筋肉量の影響なのか」「腎臓病を疑う所見があるのか」を整理しやすくなります。
不安を抱えたまま過ごすよりも、必要な検査で確認することで、安心して経過をみていくことができます。
次回は、最終話として、これまでの「eGFRのはなし」をまとめたいと思います。

