PKD腎臓内科クリニック

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院長ブログ

eGFRのはなし(15)~eGFR-CrとeGFR-Cysの間にはギャップがある~

2026/04/06

前回紹介したFujiiらの報告では、日本人式で計算したeGFR-CrとeGFR-Cysの間に大きな差(乖離;ギャップ)がみられました。

ただ、この報告は集団全体の平均値などをまとめたものであり、一人ひとりの患者さんにどの程度のギャップが分布しているのかまでは十分にわかりません。

 

そこで今回は、当院を受診した患者さんのデータを用いて比較してみます。

Fujiiらの報告は、「腎疾患がないと自己申告した健診受診者」が対象でした。

一方、当院では、健診eGFRが60未満、すなわち「腎機能低下の疑い」で受診した患者さんも含まれています。

そのため、ここでは「健診eGFRが60以上で受診した方」と「健診eGFRが60未満で受診した方」の2つのグループに分けて、eGFR-CrとeGFR-Cysを比較してみます。

 

■健診eGFRが60以上で受診した方(148人)

健診で、①尿異常、②血液のクレアチニン値が基準値以上、③eGFR低下スピードが速い、などを指摘され、受診された方が中心です。

それぞれの平均値をみると、eGFR-Cr 72.1、eGFR-Cys 113.5 でした。

Fujiiらの報告と同様、両者の間には約40の大きな差(ギャップ)がありました。

また、このグループでは、eGFR-Crのほとんどが60~80の間に分布しており、100を超える方はみられませんでした。(eGFRのはなし(14)

 

■健診eGFRが60未満で受診した方(372人)

外来でのeGFR-Crのほうが、健診eGFR-Crより少し高くなっていました。

良くなったとはいえ、平均値をみると「eGFR-Crは59.3」であり、まだ60未満の「CKD疑い」という不安が残る方が多い状況です。

しかし、「eGFR-Cys は95.6」で、そのギャップは約35と、やはり大きな差がありました。

このグループでもeGFR-Cysの方が高いという傾向は共通しています。

日本人式eGFR-Crは低めに計算されてしまうことを考えると、この大きなギャップは「実際の腎機能がeGFR-Crの数値より良好である」可能性が高いことを示しています。

 

■まとめ

当院でも健診の結果から受診した患者さんの多くにおいて、eGFR-CrとeGFR-Cysの間には大きなギャップが存在することが確認できました。

このように、ギャップの大きさをみることは、本当の腎機能を考える上でとても役立ちます。

 

次回は、当院でみられた例を代表的なパターンに分けて紹介します。

 

 

【補足】eGFR-CrとeGFR-Cysのギャップ:健診受診者とCKD患者の比較

外来でのeGFR-Cr が45以上60未満の健診受診者とすでにCKDと診断されている方(CKD患者)で、このギャップを比較してみました。

CKD患者は、健診受診者に比べてeGFR-Cysが低く、両者のギャップが小さい傾向がみられました。

このことは、CKD患者では、eGFR-Crの低下が計算上の“見かけ”ではなく、「実際の腎機能低下を反映している」可能性が高いことを示しています。

 

 

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