PKD腎臓内科クリニック

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院長ブログ

トルバプタンのはなし(3) ~入院、くすりを飲み始める~

2022/06/20

入院日、緊張と不安があると思いますが、自然体で臨みましょう。

はじめてトルバプタン(サムスカ®)を飲むと、30分~1時間でトイレに行くことになります。
ただ、薬に対する反応時間やトイレに行く間隔、尿量、尿意の感じ方は個人差が大きいものです。

まずはご自身がどのくらいでトイレにいくのか、喉の渇き方がどうなのかをご自身の感覚としてつかみましょう。

 

そのために、尿が出た時間と尿量、水分を摂った時間と飲水量を記録してください。

どのくらいの水分を摂ればいいか、どのくらいで喉が渇くかなどがわかってきます。

 

ここで注意していただきたいことがあります。

多くの患者さんは、たくさん尿が出るので心配になり、「もう少し飲んでおこう」と必要以上にたくさん水を飲んでしまいがちです。

ただ先回りして必要以上に飲んでしまうとそれだけ尿量が増えてしまいます。

さらに、血液中のナトリウムが薄まって、低ナトリウム血症になる危険もあります。(トルバプタンのはなし(2)注釈*3)

喉の渇きがある程度解消されたら、それ以上余計に飲む必要はありません。
少々足りなくても、腎臓くんが脱水にならないように何とかしてくれます。

 

1日目の夜は、何度かトイレに起きると思います。
起きたときも喉の渇きに応じて、水分補給をしてください。

2日目は、腎臓くんもお薬に少し慣れるので、尿量は減り、初日の8割くらいになります。

尿量は少しずつ減っていくと思いますが、

〇 昼間のトイレの間隔が短く、仕事などに支障が出そうと考えた方
〇 夜間の尿が多すぎて、続けていくのに不安を感じた方

は、それを主治医の先生にしっかりと伝えましょう。

 

飲む時間を工夫するのも一つの方法です。

例えば、午前6時に朝のお薬を飲むとすれば、8時間後の午後2時に夕分のお薬を飲んでもいいです。

それでもつらい場合は、“トルバプタンのはなし(1)” で紹介した患者さんのように、一旦朝だけにしたり、お薬を減らしたり、いろいろ方法があります。

多発性嚢胞腎(ADPKD)のトルバプタンの薬の量は、60㎎でとても多い量です。
ちなみに、心不全では15㎎、肝硬変では7.5㎎が最高量です。
慣れるまでお薬を少々減らしても問題はありません。

これから長い間飲んでいくことになるので、無理は禁物です。

 

一つ、お家に帰ってからしてほしいことがあります。

体重測定です。

入院中のように、尿量、飲水量を記録するのは難しいと思います。

1日の中での体重変化は「痩せた」「太った」ではありません。
体内の水分量が増えたか、減ったかを客観的に示してくれるものです。

サウナで汗がたくさん出て体重が減るのは「痩せた」わけではなく、脱水になっているだけです。

ご自身で感覚をつかむまで、できれば朝と晩に測ってみましょう。
水分が足りているか、逆に多すぎないか、の目安になります。

 

最初の3カ月くらいはだいたい半分の患者さんは水分摂取が不十分です。
軽度の脱水状態になっています。

  でも腎臓くんが助けてくれます。

尿に塩分を出さないようにして、それ以上脱水にならないように働いてくれるのです。

 

ただし、脱水状態が続くと薬の効果は少し落ちてしまうので、喉の渇きをうるおすように水分摂取を続けてください。
尿量は次第に減ってきて、いずれ水分量は追いついてきます。

焦らず、ご自身のペースでお薬に慣れていきましょう。

 

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